CFIUSによるパイロットプログラムの開始

前回の続きです。

審査手続の変更

FIRRMAにより、CFIUSの審査手続も変更されることになりました。従前はCFIUSの審査対象となる取引の当事者は、任意に審査申請を行っていましたが、詳細な審査申請書を準備する負担が大きかったため、FIRRMAにおいては、原則5頁以内の簡易な申告書(Delcaration)を提出することができるようになりました。申告によって、従前よりも簡易な手続によって取引の実行にかかる承認を得られる可能性があります。

一方、FIRRMAにより、外国政府が実質的な影響を及ぼす外国人が、重要技術・重要インフラまたは米国市民のセンシティブな個人情報を扱う米国事業(sensitive U.S. companies)に実質的な持分(substantial interest)を有することになる場合、CFIUSは取引完了の45日前までに申告を行うように義務付けることができます。

また、CFIUSは規則により、重要技術(crticial technology)を扱う米国事業に対する広範な投資に関して、事前の申告を義務付けることが認められています。パイロットプログラムは、当該権限に基づき、重要技術への外国投資に関して適用されることになります。

パイロットプログラムの開始

FIRRMAの主な規定は、関連する規則等の発表後またはFIRRMAの成立から18か月後(2020年2月13日)に施行されることとなっていますが、FIRMMAの成立時点では未発効の規定を試験的に施行するパイロットプログラムを実施することが認められています。実際に2018年11月10日から、パイロットプログラムが適用されることとなりました。

具体的には、外国人が支配を取得しないマイノリティ出資であったとしても、パイロットプログラムにおいて特定された27の産業に関する重要技術を扱う米国企業への投資のうち、前記”non-passive investments”の要件に該当する場合は、CFIUSへの申告が義務付けられることになりました。

当該27の産業分類には、誘導ミサイル・ロケット製造業等だけではなく、コンピューター製造業・半導体装置製造業・蓄電池製造業・光学機器製造業等、国家安全保障上の関わり合いが必ずしも明白ではない産業も含まれていることに留意が必要です。